ストレスを溜めこむと心身に悪影響を及ぼします。それを防ぐためには適度にストレスを解消することが大切ですが、これは応急処置にしかすぎません。時間はかかりますが考え方などを変えていく方が有効です。長期に渡って思考を変えていくことをストレスケアといいます。長い目で見ればストレスケアの方が一時的なストレス解消よりも高い効果を期待できます。
ストレスを溜めこまないようにするためには自分の考え方や行動パターンなどを知っておくことが大切です。人にはそれぞれ何か出来事があった時に頭に思い浮かぶ、心の癖や思考パターンがあります。「つい悪い方向に考えてしまう」などマイナス思考が強い場合はストレスが溜まりやすくなるといわれています。まずは自分の思考や行動パターンを分析してみましょう。自分の思考や行動パターンがわかれば次に同じような出来事に遭遇した時に「いつものように悪い方向に考えているが大したことではないはず」と上手く気持ちを切り替えることができます。
マイナス思考のままだとストレスが溜まりやすくなってしまいます。視野を広げて物事の捉え方を変え、マイナス思考を取り除くようにしましょう。頭の中で考えているだけだと自分の考えに捉われてしまうため主観的になりがちです。紙に書き出したり、周囲の人に相談したりしながら客観的に考えるようにしましょう。
睡眠不足が続くと脳をしっかり休めることができません。イライラしたり、集中力が低下したりと仕事にも影響を与えてしまいますし、自律神経やホルモンバランスも乱れてしまいます。睡眠はしっかり取るようにしましょう。目安は6~8時間です。
ストレスが原因でうつ病などの心の病気を発症する人も少なくありませんが、うつ病は神経伝達物質であるセロトニンが不足するとなりやすいともいわれています。セロトニンはアミノ酸であるトリプトファンから作られています。トリプトファンは野菜や豆類、乳製品などに含まれているタンパク質がもとになっていますのでそれらの食材を積極的に食べるようにするといいでしょう。また、ビタミンB群やビタミンCもストレスケアに有効です。日頃からバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
自分のために時間とお金を使うことも有効です。何でもいいので好きなことをする自分だけの時間を作ってみてください。気持ちがリセットされ明日も頑張ろうと前向きな気持ちになれます。
ストレスが溜まっているかどうかは自分自身では気づきにくいものです。自覚した時には限界に近い状態だったということもあります。すぐに対処できるように日頃から自分の状態を把握しておきましょう。その際に有効なのが手軽に自分のストレス状態を測定できるアプリ「ストレススキャン」です。わずか数秒でストレス状態が把握できるとして人気が高まっています。
ストレスなどが原因で体調を崩した人を専門的に治療する心療内科ではカウンセリングを重視しています。現代はストレス社会と呼ばれるほど多くのストレスに晒されています。これを受けて心療内科の社会的なニーズも高まっています。
一人で解決しようと頑張ることがかえって逆効果になってしまい、状態が悪化してしまう場合もあります。無理に頑張るのではなく誰かに相談するのも有効な方法です。家族や友人、メンタルケアの専門家の意見も聞いてみましょう。
嫌なことや苦しいことがあると精神的に大きな負担がかかるためそれをストレスだと思っている人がいますが、正しくは外側からかけられた圧力によって生じる歪みのことです。ストレスには悪いストレスと良いストレスの2種類あります。