気分が落ちこんだり、無気力になったり、何をするのにも億劫になったり、自分には価値がないとネガティブな思考が続いたり、と精神的な症状や不眠や過眠、食欲の低下や過食といった身体的な症状が出た状態を「うつ状態」といいます。このうつ状態が2週間以上続くようなら「うつ病」である可能性が高いです。
これらの症状は朝に悪化し午後から夕方になると回復していきますが、どのような症状が出るのかは人によって違いますし、複数の症状を発症する人もいます。うつ病は「心の風邪」とも呼ばれていますが、それは誰にでも起こりうる病気だからです。風邪のように軽い症状で治まるものではありません。発症すると日常生活にも甚大な影響を及ぼします。
理由もなく突然、動悸やめまいが激しくなったり、発汗や息苦しさを感じたり、吐き気、手足の震えなどが起きて生活にも支障が出る病気を「パニック障害」といいます。自分でコントロールすることができず、強い不安や恐怖を感じるパニック障害は100人に2~3人の割合で発症しています。人によって症状は様々ですが、「また症状が出るのではないか」と過度な不安を感じてさらに悪化してしまうため、専門家の診察を受ける必要があります。
仕事や生活などある特定の状況や環境に強いストレスを感じた時に情緒面や行動面に何らかの症状が現れ日常生活に支障をきたす病気を「適応障害」といいます。
適応障害になると不安、怒り、焦りなどの情緒面の障害が出たり、動悸やふるえといった身体的な症状が出たり、暴飲暴食、乱暴な言葉遣いや無駄なケンカなど攻撃的な行動を取ったりするようになります。うつ病と同様に大きなストレスがかかる出来事があれば誰にでも起こりえる病気です。しかし、うつ病とは違いストレスのきっかけとなる出来事がはっきりしているため、原因を取り除くと状態が徐々に改善していきます。
摂食障害は若い女性に多く見られる病気です。ダイエットなどがきっかけで食行動に異常をきたしてしまうことが多いのですが、ストレスも要因のひとつとして挙げられています。摂食障害には「食べられない」などの理由から食事量が低下し体重が減少してしまう「拒食症」と、「食べずにはいられない」といった理由で身動きできなくなるまで食事をし、その後体重増加を防ぐために嘔吐する「過食症」の2つのタイプがあります。
ストレスを解消するためにお酒を飲むのはよくあることですが、酒量が増えいつの間にかアルコール依存症となっている人も少なくありません。悪化すると人格が変わったり、身体的な障害が出たりするだけでなく、最悪の場合死に至る可能性もあります。
ストレスなどが原因で体調を崩した人を専門的に治療する心療内科ではカウンセリングを重視しています。現代はストレス社会と呼ばれるほど多くのストレスに晒されています。これを受けて心療内科の社会的なニーズも高まっています。
一人で解決しようと頑張ることがかえって逆効果になってしまい、状態が悪化してしまう場合もあります。無理に頑張るのではなく誰かに相談するのも有効な方法です。家族や友人、メンタルケアの専門家の意見も聞いてみましょう。
嫌なことや苦しいことがあると精神的に大きな負担がかかるためそれをストレスだと思っている人がいますが、正しくは外側からかけられた圧力によって生じる歪みのことです。ストレスには悪いストレスと良いストレスの2種類あります。